IMF：金融・規制改革政策がサウジアラビア経済の成長加速に貢献

リヤド（サウジアラビア）, 2024年9月5日 /PRNewswire/ -- 国際通貨基金（IMF）が、サウジアラビア王国との4条協議の後、同国に関する肯定的な報告書を発表しました。IMFの報告書は、サウジアラビアの金融・規制改革政策のおかげで、サウジ経済の成長が加速し、インフレが抑制され、失業率が過去最低水準に引き下げられたと明言しています。IMFは、Saudi Vision 2030（サウジ・ビジョン2030）に基づいて進められている経済改革と経済多様化の取り組みを称賛しました。

IMFの4条協議報告書は、サウジアラビア王国が実施したマクロ経済政策と変革のおかげで、非石油活動の成長が促進されたことを高く評価しています。また、サウジの改革によって雇用が増加し、現在ではコロナ前の数字を超えていること、女性の労働市場参加率が35%を超え、サウジ・ビジョン2030の目標である30%を上回ったことについても指摘しています。

サウジアラビアは、過熱のリスクを抑えながら、ビジョン2030のイニシアチブ、プログラム、プロジェクトを支援する長期的な資金調達計画を策定しています。IMFは、この措置を歓迎しました。また、サウジアラビアの財政余力は強く、公的債務リスクは低いと報告書は強調し、サウジアラビアの豊富な外貨準備高のおかげで、世界的・地域的課題の影響は限定的なものにとどまっていると付け加えています。

規制の効果的かつ確実な実施、料金の合理化、人的資本の強化、労働市場へのサウジアラビア人女性の参加の増加、土地や資金へのアクセスの促進、ガバナンスの改善など、サウジアラビアで進行中の改革は、これらの取り組みを支えるデジタル・トランスフォーメーションと人工知能の分野の大きな進歩とともに、民間部門の成長を促進し、より多くの外国直接投資を誘致していることに貢献している、とIMFの報告書は明言しています。

IMF理事会は、IMF国際通貨金融委員会（IMFC）議長としての地位を含め、多国間会合において世界的な課題への取り組みに貢献したサウジアラビアの指導的役割を称賛しました。

報告書ではまた、消費の伸びが5.7%に達したため、運輸、貿易、観光、金融などのサービス部門の活動が増加したと指摘しています。

IMFは、外国投資ライセンスの申請数が2023年に記録的なレベルに達したと述べました。たとえば、サウジアラビア王国に地域本部を設立するためにライセンスを申請した企業は330社に上ります。

同報告書は、サウジアラビア王国の銀行部門の発展を検証し、その高い支払い能力と流動性、そしてショックに対する柔軟性を強調しています。収益性、インフラ、競争力の指標によれば、同国の銀行部門は強固な足場を築いており、銀行仲介の効率性も高いとIMFは指摘しています。

IMFの報告書によれば、サウジ証券取引所（タダウル）の株価指数は2023年、14.2%上昇しました。これは、モルガン・スタンレーの新興市場指数の7%を上回る数値です。同報告書は、投資を可能にする技術的環境の進展や、3つのデジタル銀行の営業許可にも言及しています。これらの銀行は、柔軟性と革新性を特徴としており、金融包摂と競争力の強化に貢献しているとIMFは強調しています。

政府の多様な支援、銀行の強さ、フル・リコース・モーゲージ、その他の支援策を通じ、不動産融資の急成長に起因するリスクを同国が抑制していることをIMFは指摘しました。また、マネー・ロンダリングやテロ資金調達のリスクに関する国家評価マトリックスの自動化を改善し、フィンテック企業を含む報告主体から受け取ったリスクに関するデータ分析の精度を向上させていることもIMFは明言しています。

IMFの報告書によれば、石油以外の収入の増加は既存の改革の効果を反映したものであり、これがコンプライアンスの強化に直接貢献しました。同報告書は、税関手続きの国際的なベスト・プラクティスにも沿っていると称賛しています。

非石油部門（政府系の活動を含む）は、堅調な国内需要に支えられ、2024年に3.5％成長するとIMFは予想しています。また、サウジアラビアのインフレ率は、サウジ・リヤルの対米ドル・ペッグ制とサウジ・ビジョン2030に沿った国内政策に支えられ、中期的には2%前後で安定する可能性が高いとIMFは述べています。

進行中の環境改革と2060年までにネットゼロ達成を目指す取り組みにより、サウジアラビア王国は、すべての主要生産国の中で炭素強度レベルが最も低い国の1つであることをIMFは確認しました。報告書によれば、サウジアラビアは、再生可能エネルギー源を活用する仕組みの実現に向け、NEOMのグリーン水素プロジェクトで30年間の購入契約の締結に成功しました。

サウジアラビア政府は、2035年まで年間約4,400万トンの二酸化炭素を隔離するために、世界最大級の二酸化炭素回収・貯留施設を建設する意向であるとIMFは指摘しています。年間900万トンの二酸化炭素を貯留できるこの施設は、2027年までに稼働を開始する予定です。また、IMFによれば、サウジアラビアは現在、SABICプラントおよびウスマニヤ・ガス・プラント部門を通じ、年間130万トンの炭素隔離に取り組んでいます。