レイキャビク(アイスランド), 2024年10月29日 /PRNewswire/ -- deCODE genetics/Amgenの科学者らとその研究協力者が、がんリスクに関連する希少な生殖細胞系列変異を持つ6個の新たな遺伝子を発見しました。この研究結果は、「Gene-based burden tests of rare germline variants identify six cancer susceptibility genes(希少な生殖細胞系列変異の遺伝子負荷試験により、6個のがん感受性遺伝子を特定)」というタイトルで、本日『ネイチャー・ジェネティクス』誌に掲載されました。
Kari Stefansson senior author of the paper, “Gene-based burden tests of rare germline variants identify six cancer susceptibility genes”, published today in Nature Genetics, discusses the paper with Erna V. Ivarsdottir first author on the paper. 一部のがんは、がんリスクを大幅に変える希少な配列変異を持って生まれた個人に発生します。BRCA1遺伝子やBRCA2遺伝子などの変異体の発見により、がんの早期発見と標的療法の開発が進み、最終的にはがんの負担が軽減され、これらの変異を持つ人の予後が改善されました。
この研究では、13万991人のがん患者と73万3,486人の対照群を含む、ヨーロッパ系の個人の3つの大規模な遺伝子データセットを科学者らが分析しました。22種類の異なるがん型にまたがる遺伝子ベースの負荷関連分析を通じ、研究者らは、がん発症リスクに関連する4個の新規遺伝子を発見しました。アポトーシス促進性BIK(前立腺がん)、オートファジー関与遺伝子ATG12(大腸がん)、TG(甲状腺がん)、CMTR2(肺がんおよび皮膚黒色腫)です。これらの変異によってもたらされるがんリスクの相対的増加は大きなもの(90~295%)でしたが、研究のデザイン上、絶対的な生涯がんリスクの正確な評価はできないものであることに留意する必要があります。
さらに、研究者らは、がんのリスク低下に関連する希少な変異を持つ遺伝子を初めて発見しました。具体的には、AURKBの喪失はあらゆる型のがんを防ぐことがわかりました。また、PPP1R15Aの喪失は、乳がんのリスクを53%低下させることと関連していました。これは、PPP1R15Aの阻害が、乳がんの治療選択肢となる可能性があることを示唆しています。
今回の研究では、がんの素因に関わる生物学的メカニズムに対する新たな知見が明らかになりました。これは、より優れた検査および治療戦略につながると期待されます。
動画 - https://mma.prnasia.com/media2/2541696/deCODE_Genetics.mp4
写真 - https://mma.prnasia.com/media2/2540476/deCODE_genetics.jpg
Kari Stefansson CEO of deCODE genetics and senior author on the paper in Nature Genetics, with Erna V. Ivarsdottir scientists at deCODE genetics and first author.